当法人は、対象企業様にはエコアクション21の認証・取得するだけでなく、それを経営改善につなげ、更なる企業価値の創造に活かしていただきたいと考えています。それが環境保全と経営改善を統合した環境経営システムです。
環境経営は“環境負荷の低減を通じたサステナビリティ(持続可能性)やステークホルダー(利害関係者)全体への貢献”を目的としたシステムと言え、経営改善は“顧客満足度の向上を通じた利益の最大化”を目的としたシステムと言うことができます。
一方、3R(リデュース、リユース、リサイクル)や5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)をベースにして、PDCAというマネジメントサイクルを回すという点では両者とも共通したシステム運用と言えます。
当法人は、エコアクション21ガイドラインで定めている13のステップ(要求事項)が経営改善システムとして応用・活用することができると考えています。以下、枠で囲んだ黒字はエコアクション21のステップ(要求事項)ですが、赤字太字が経営改善システム(案)ですので、ご参考にしていただければ幸いです。
環境経営システム(エコアクション21ガイドライン) |
|
|
|
経営改善システム(案) |
|
1.取組の対象組織・活動の明確化 組織は、全組織・全活動(事業活動及び製品・サービス)を対象としてエコアクション21に取り組み、環境経営システムを構築、運用、維持する。認証・登録にあたっては、対象とする組織及び活動を明確にする。 |
|
|
|
1.対象とする市場(顧客)・製品(サービス)の明確化 組織は、市場分析を行い、対象とする市場(顧客)・製品(サービス)を明確にして、事業活動を展開し、経営管理システムを構築、運用、維持する。 |
|
2.環境方針の作成 代表者(経営者)は、環境経営に関する方針(環境方針)を定め、誓約する。環境方針は、次の内容を満たすものとする。・組織の事業活動に見合ったものとする ・環境への取組の基本的方向を明示する ・組織に適用される環境に関する法規等の遵守を誓約する 環境方針には、制定日(または改定日)を記載し、代表者が署名する。環境方針は、全ての従業員に周知する。 |
|
|
|
2.経営方針の策定 代表者(経営者)は、企業理念に基づき経営ビジョンを定め、経営計画の骨子を定めた経営方針を策定し、全ての従業員に周知する。 |
|
3.環境への負荷と環境への取組状況の把握及び評価 対象範囲における事業活動に伴う環境負荷を「環境への負荷の自己チェックの手引き」をもとに把握し、その結果を踏まえ、事業活動の中で環境に大きな影響を与えている環境負荷及びそのもとになる活動を特定する。環境負荷のうち、二酸化炭素排出量、廃棄物排出量、総排水量(あるいは水使用量)、化学物質使用量(化学物質を取り扱う事業者)は必ず把握する。事業活動における環境への取組状況を「環境への取組の自己チェックの手引き」をもとに把握する。 |
|
|
|
3.経営指標と経営環境状況の把握及び評価 代表者(経営者)は、財務諸表による財務分析を行い、自社の状況を適切に把握して、競合他社との比較において優位に立てる戦略を構築する。そのために企業が直面する外部環境(機会、脅威)と経営資源などの内部環境(強み、弱み)を分析する。 |
|
4.環境関連法規等の取りまとめ 事業を行うにあたって遵守しなければならない環境関連法規及びその他の環境関連要求事項を整理し、一覧表等に取りまとめる。環境関連法規等は常に最新のものとなるよう管理する。 |
|
|
|
4.顧客要求事項および関連法規等の取りまとめ 事業を行うにあたって遵守しなければならない顧客要求事項(合意した仕様書等)、および関連法規(コンプライアンス情報)を整理し、常に最新のものとなるよう管理する。 |
|
5.環境目標及び環境活動計画の策定 環境方針、環境負荷及び環境への取組状況の把握・評価結果を踏まえて、具体的な環境目標及び環境活動計画を策定する。環境目標は、可能な限り数値化し、二酸化炭素排出量削減、廃棄物排出量削減、総排水量削減、化学物質使用量削減、グリーン購入、自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する項目について、中長期の目標と単年度の目標を策定する。環境活動計画においては、環境目標を達成するための具体的な手段、日程及び計画の責任者を定める。環境目標と環境活動計画は、関係する従業員に周知する。 |
|
|
|
5.経営目標及び経営活動計画の策定 代表者(経営者)は、経営戦略を立案し、具体的な経営目標及び経営活動計画を策定する。経営活動計画においては、経営目標を達成するための具体的な手段、日程及び計画責任者を定める。経営目標と経営活動計画は、関係する従業員に周知する。経営目標は、可能な限り数値化し、増収及び増益に関する項目について、中長期の目標と単年度の目標を策定する。 |
|
6.実施体制の構築 エコアクション21環境経営システムを構築、運用、維持し、環境への取組を実施するために効果的な実施体制を構築する。実施体制においては、各自の役割、責任及び権限を定め、全従業員に周知する。 |
|
|
|
6.実施体制の構築 代表者(経営者)は、経営管理システムを構築・運用し、維持し、経営への取組を実施するために効果的な実施体制を構築する。 実施体制においては、各自の役割、責任及び権限を定め、全従業員に周知する。 |
|
7.教育・訓練の実施 エコアクション21の取組を適切に実行するため、必要な教育・訓練を実施する。 |
|
|
|
7.教育・訓練の実施 代表者(経営者)は、経営と従業員能力の向上を図るため、必要な教育・訓練を実施する。 |
|
8.環境コミュニケーションの実施 組織内において、エコアクション21に関する内部コミュニケーションを行う。外部からの環境に関する苦情や要望を受け付け、必要な対応を行い、その結果を記録する。環境活動レポートを定期的に作成し、公表する。 |
|
|
|
8.コミュニケーションの実施 組織内における、内部コミュニケーションの充実を図る。また、製品・サービス・対応(挨拶、電話応対、マナー等)に関して、取引先や消費者の意見を定期的に聴取する。 |
|
9.実施及び運用 環境方針、環境目標及び環境活動計画を達成するために必要な取組を実施する。環境方針、環境目標を達成するため、必要に応じて、実施にあたっての手順等を定め、文書化し、運用する。 |
|
|
|
9.実施及び運用 経営方針、経営目標及び経営活動計画を達成するために必要な取組を実施する。取組に当たっては、PDCAサイクルを活用し、標準化に努める。そのため、必要に応じて、手順等を定め、文書化し、運用する。 |
|
10.環境上の緊急事態への準備及び対応 環境上の事故及び緊急事態を想定し、その対応策を定め、定期的に試行するとともに訓練を実施する。事故や緊急事態の発生後及び試行の実施後に、対応策の有効性を検証し、必要に応じて改訂する。 |
|
|
|
10.経営上の緊急事態への準備及び対応 経営上の事故及び緊急事態を想定し、その対応策を定め、定期的に試行するとともに訓練を実施する。事故や緊急事態の発生後及び試行の実施後に、対応策の有効性を検証し、必要に応じて改訂する。 |
|
11.環境関連文書及び記録の作成・管理 エコアクション21の取組を実施するために必要な文書を作成し、適切に管理する。エコアクション21で必要な取組の記録を作成し、適切に管理する。 |
|
|
|
11.経営関連文書及び記録の作成・管理 経営管理を確実にするために必要な社内文書体系を構築し、運用する。また、経営管理を実施するために必要な記録を作成する。 それらの社内文書と記録を適切に管理する。 |
|
12.取組状況の確認並びに問題の是正及び予防 環境目標の達成状況、環境活動計画の実施状況及び環境経営システムの運用状況を、定期的に確認及び評価する。環境関連法規等の遵守状況を定期的に確認及び評価する。環境目標の達成、環境活動計画の実施及び環境経営システムの運用状況並びに環境関連法規等の遵守状況に問題がある場合は是正処置を行い、必要に応じて予防処置を実施する。 |
|
|
|
12.取組状況の確認及び問題の是正及び予防 経営目標の達成状況、経営活動計画の実施状況及び経営管理システムの運用状況を、定期的に確認及び評価する。また、経営関連法規、顧客要求事項等の遵守状況を定期的に確認及び評価する。問題がある場合は是正処置を行い、必要に応じて予防処置を実施する。 |
|
13.代表者による全体の評価と見直し 代表者(経営者)は、定期的にエコアクション21全体の取組状況を評価し、全般的な見直しを実施し、必要な指示を行う。 |
|
|
|
13.代表者による全体の評価と見直し 代表者(経営者)は、定期的に経営管理全体の取組状況を評価し、全般的な見直し(マネジメントレビュー)を実施し、必要な指示を行う。 |
|
詳細については、エコアクション21のコンサルティングや審査時に、当法人の審査人にお問合わせください。